2016年3月23日水曜日

アンチ・エイジングとは?

アンチ・エイジングとは

「アンチ・エイジング」とは、「アンチ」と「エイジング」という二つの英単語から成っていて、日本語で言うと、「加齢(老化)に対抗・抵抗する」という意味です。

「アンチ」という英単語の印象から「不老不死」を想像される方もいるかもしれませんが、「アンチ・エイジング」は、そうではありません。

「アンチ・エイジング」とは、「人生の時計の針を永遠に止めること」ではなく、「針を少し戻したり、その進みを遅らせること」なのです。

肌の若返りは、スキン・ケアや医学的治療により、外部から皮膚そのものをケアすることで、「針を少し逆戻りさせ る」ことになります。

サプリメントやホルモン補充療法など、体の内部から全身的に若返りを図る方法、つまり、全身的な老化防止策が、「針の進みを遅らせる」方法として、注目を集めています。


ビル・クリントンさん 1946年生まれ


暦年齢と生物学的年齢

年齢には、生年月日を基準とする「暦年齢(カレンダー・エイジ)」と、精神的な機能も含めた健康状態を表す「生物学的年齢(リアル・エイジ)」の二種類があります。

アンチ・エイジングは、中高年の方々を対象にして、前者をほぼ無視して、後者を重視します。

「生物学的年齢(リアル・エイジ)」を「若く保ち、健康を維持し、少しだけ時計の針を戻す」ことが、アンチ・エイジングの考え方の基盤となっています。


クオリティー・オブ・ライフ(Q.O.L)の三位一体

アンチ・エイジングとは、老年期のQ.O.L(人生の質)の向上を目指すものでもあります。

むろん、中高年者にも当てはまりますが、特に高齢者にとって、Q.O.L.の指標は何でしょうか?

「疾病予防」
「社会生活」
「判断力と体力」

この3つの条件の輪が、重なったところに、高齢者のQ.O.Lがあります。

アンチ・エイジングは、老年期の方々が、毎日の生活を、できるだけ楽しめるようにすることでもあります。例えば、年をとっても、いつまでも読書を楽しめるということは、素晴らしいことですね。



2016年3月15日火曜日

脳卒中は、お年寄りのなりやすい病気ー予防はアンチエイジング


心身しなやか、血管もしなやか、美輪明宏さん 1935年生まれ


脳卒中は、お年寄りのなりやすい病気の1つです。

高齢者に非常に多い病気で「加齢病」とも言われている。

つまり、お年寄りほどこの病気になる確率が高い。

中でも、脳梗塞は、お年寄りの発症率がとても高い病気。

80代男性と50代男性を比較すると、80代男性は50代男性に比べ10倍以上、脳梗塞になる確率が高いというデータもある。

女性は、男性よりも、10歳ほど遅く、発症率が高くなる。

どちらにせよ、年齢が増せば脳梗塞になる確率が高いと言うこと。

脳出血の場合も同様で、高齢になればなるほど、その発症率は高くなる。

脳出血は、脳梗塞と違い男女の発症率に年齢差はないが、脳出血は、男性に多く見られ、女性はあまり発症しないようだ。

だが、くも膜下出血となれば、女性の発症頻度が高くなる。

これらは、どれも血管の老化が原因で起こる病気です。

年齢が上がると共に、脳の血管の動脈硬化が現れて、それが進んで、脳出血や脳梗塞に繋がる。

動脈硬化が進んでしまうには、理由があって、動脈硬化の危険因子と呼ばれている。

それは、高血圧であること、糖尿病であること、そして高脂血症であること。

誰も、年を取ることは絶対に止められない、血管の老化も止められない。

食生活や生活習慣で、どれほど、その老化を遅らせるかだ。


脳卒中とは

脳の血管が詰まったり、破れて出血したりして起こる病気を脳卒中といいます。

詰まるタイプが脳梗塞

出血するタイプが脳出血

いずれも、麻痺や言語障害、意識障害などの症状が出現。


脳梗塞 − 血管が詰まるタイプ

脳梗塞とは、脳血管が閉鎖したために起こる疾患です。

脳梗塞の部分は、酸素と栄養が行き渡らなくなるために、脳細胞が壊れてしまいます。

脳塞栓: 心臓にできた栓子が脳の血管をふさぐ(急激)

脳血栓: 動脈硬化のため血小板がかたまった血栓(ゆるやか)


脳出血 − 出血するタイプ

脳出血とは、脳内部の動脈が切れ出血することで生じる疾患です。

脳出血が生じることで脳実質が破壊され神経細胞が死んでしまいます。

くも膜下出血: 脳動脈にできたコブが破れ、くも膜下腔に出血


脳出血: ミシン糸くらいの脳血管が破れて出血する


こんな症状があったら危険信号
  • 風邪でもないのに頭痛
  • 急に生じためまい
  • 手足のしびれ
  • ろれつが回らない
  • ものが二重に見える
  • 貧血や耳の病気がないのにめまい
  • まっすぐに歩けず、歩行が不自由
  • 直線が書けない
  • 箸が上手に使えなくなった
  • 意識がなくなったことがある
 
早期発見と予防対策

脳卒中は三大生活習慣病の一つで、発病すると、死の危険があり、体の麻痺や言語障害、意識障害などの後遺症を残すことが多い病気です。

現在、日本の死亡原因はがん、心臓病に次いで脳卒中になっていますが、数十年前までは脳卒中が死因のトップでした。

これは脳卒中が減ったわけではなく、医療 の進歩により死亡する人が少なくなったに過ぎません。

死亡率の高い脳出血は減りましたが、人口の高齢化に伴い、脳卒中の6割を占める脳梗塞の患者数は増加 しています。

脳卒中は発病する前に予測して、発病を防ぐことができる病気です。

脳卒中を引き起こす主な原因は動脈硬化です。

その動脈硬化を招く要因としては、高血圧症、高脂血症、糖尿病、喫煙などが挙げられます。

つまり、脳卒中は生活習慣病が要因となっているのです。

普段の生活を見直せば、脳卒中は予防することができます。


脳卒中予防の4大ポイント
  1. 30代から自分の血圧を知り、コントロールする心がけ
  2. 塩分控えめの食生活と、コレステロールを減らす
  3. 仕事を離れてリラックスできる趣味を持つ。適度な運動もする
 

2016年3月11日金曜日

循環器系疾患(心筋梗塞や動脈硬化)防止するアンチ・エイジング

いつまでもカッコいい、クリント・イーストウッドさん 1930年生まれ


加齢=エイジングは、老化と同義に使われますが、老化という言葉のもつ負のイメージはなく、自然な老いといった語感があります。
 
 
循環器系の加齢変化には次のようなものがあります。


血管では、動脈壁が厚くなり、弾性が失われ、硬くなってきます。


これは、血管壁の間質成分(骨組みをつくる線維組織など)が増えたり、動脈壁に石灰が沈着す ることにより起こる。

このような変化は、血管の全身的な変化で、コレステロールなどに起因する動脈硬化(部分的に血管壁を狭める粥状動脈硬化)とは異なる。
 
心臓では、心筋細胞が減少し、間質の線維化が進み、運動負荷に応える余力が失われていきます。


また大動脈弁や僧帽弁輪(弁の付着部位)の石灰化が起こってくるのも特徴です。

心臓の収縮・弛緩を調節している刺激伝導系も衰える


こうした循環器系の加齢変化は、
次のような疾患の要因となる。

血管では、動脈瘤や動脈解離
心臓では、心不全や弁膜症
刺激伝導系では、不整脈など


健康な老いを迎えるためには、動脈硬化の防止は欠かせない。

食事は、過食、高脂肪食、塩分のとりすぎを避けて、魚を積極的に食べ、繊維やカルシウムを多く含んだ食品を食べる。


高齢者で注意すべきは、たんぱく質、カルシウム、マグネシウム、水分などが不足しがちになること。

水分の不足は、血液の粘稠度を高め、脳梗塞などの誘因となる。

運動は、軽い運動を長期間続けることが大切。


一日20〜40分、週3回以上行うようにする。

75歳以上の高齢者は、軽い散歩程度でよく、無理は禁物。

ストレスは急激な血圧上昇を招き、急性心筋梗塞や脳梗塞を起こす恐れがあるので、気分転換してストレスを発散すること。


タバコは禁煙!! 飲酒は適度なら健康によい。


生活習慣を見直して、コントロールすることで病気を防ぎ、サクセスフル・エイジング (健康を保ち、うまく歳をとる) をめざしましょう!!!


2016年3月10日木曜日

肺の老化を防いで健康に! 呼吸器系のリスクを減らす食べ物

若々しい肺を持つ、三浦雄一郎さん 1932年生まれ


体のすべての細胞は、活動をするために酸素を必要としています。

その酸素を取り入れる役割りを果たしてくれるのが、肺などの呼吸器です。

肺を元気に保つということは、全身の細胞に栄養をきちんと送り届けられるということです。

肺がんなどのリスクの低下にもつながるので、キレイで健康な肺を維持しましょう。

肺を健康に保つことに一番重要なのは、キレイで新鮮な空気を取り入れることです。

タバコを吸わない、排気ガスの多い道路を避けるなど、日常生活の中で意識をする。

食べ物で肺を健康に保つには、呼吸器の粘膜の免疫力を高めること、抗生・抗菌作用があること、細胞が機能するために必要な栄養素を摂ることが重要です。



肺の免疫力を高める食べ物

肺の免疫力を高めるには、抗酸化作用のある食べ物をしっかり摂取することが必要です。

活性酸素の活動を抑え、肺を酸化から守りましょう。

活性酸素とは、酸素の一部が有害物質に変化したもの。

だれの体にも存在しており、体の老化を進める要因の1つです。

特にタバコや排気ガスなど体に有害なものを取り込むと、そこに活性酸素が大量発生しますので、危険です。

ビタミンA、C、E
 
抗酸化ビタミンであるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは積極的に摂取しましょう。

ビタミンAはレバーなどに多く含まれることで有名ですが、脂肪の取り すぎにもつながりますので、モロヘイヤ、ニンジン、パセリ、ほうれん草などから摂取すると良いでしょう。ビタミンCはピーマン、キャベツ、ケール、ゴー ヤ、柿、キウイ、かんきつ類などに豊富に含まれています。ビタミンEは魚の鮎、イワシ、ほたるいか。野菜だとモロヘイヤ、カボチャ、赤ピーマン、またアー モンドなどのナッツ類にも豊富に含まる。

ポリフェノール
 
植物の持つ力、フィトケミカルの1つポリフェノール。

このポリフェノールは多くの抗酸化作用を含んでいます。アントシアニン(ブルーベリー、ブドウ)、イ ソフラボン(大豆)、フラボン(セロリ、ピーマン)、カテキン(緑茶、カカオ)、フラボノール(ブロッコリー、タマネギ)。

カロテノイド
 
カロテノイドは、ポリフェノールと同じく植物の力フィトケミカルの1つです。

α-カロテン(ニンジン、カボチャ)、β-カロテン(ニンジン、カボチャ、ト マト)、β-クリプトキサンチン(ミカン、ほうれん草)、リコピン(トマト)、ルテイン(ほうれん草、ブロッコリー)、ゼアキサンチン(カボチャ、とうも ろこし、もも)。


肺の細胞機能を高める食べ物

肺などの呼吸器の細胞が活発に働くための必要な栄養素。

n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸が多い食べ物
 
体内のコレステロール値などを下げてくれるのがn-3 系脂肪酸、n-6系脂肪酸。

この脂肪酸はコレステロール値を正常に保つだけでなく、体内で呼吸器細胞が正常に機能するために必要な栄養素。

この脂肪酸のなかでも、特に体に良い、aリノレン酸(えごま油、紫蘇油、アマニ油、くるみなど)、DHA&EPA(サバ、イワシ、カツオ、アジ、サンマ、マ グロなどの青魚)。


肺を老化させる食べ物

肺を老化させる食べ物は、塩分が多いもの、添加物が多いもの。

塩分が多い食べ物
 
塩分が多い食べ物は、うめぼし、塩辛、漬物、佃煮、カップ麺、加工食品、スナック菓子などが挙げられる。塩分の摂りすぎは血圧を上げるので、肺だけでなくほかのすべての臓器にも悪影響。

添加物が多い食べ物
 
添加物は体の毒。肝臓などが、そのろ過の役割りを担いますが、それでも多く摂取していると、癌などの病気を引き起こす原因。コンビニ弁当、外食、お惣菜などの出来あい品、漬物やお菓子などは極力さける。


2016年3月9日水曜日

食事中、むせやすくなった・・・老化のサイン

     誤嚥とは無縁の、おしゃべりの素晴らしい黒柳徹子さん 1933年生まれ


原因…気道に異物が入らないようフタをする機能の衰え

食べ物や水、お茶、唾液などを飲み込むとき、気管に入らないように、瞬時にパタっとフタをする喉頭蓋(気管と食道の分岐点に存在し、嚥下の時に気管 にフタをする)があります。

このフタは、脳の延髄にある嚥下(えんげ=口の中のモノを飲み下すこと)中枢が指令を出すことで閉じます。

加齢により反射神経、運動神経が低下すると、飲み込むタイミングに嚥下中枢からの指令が間に合わなくなることが。すると、フタが閉まらないので気管 に入ってしまう。

それを、咳き込むことで出そうとするので、むせる。

また、飲み込む筋肉自体の衰えも、むせる原因のひとつ。


放っておくと…誤嚥性肺炎になることも……

加齢に伴って、全体的な神経支配や運動機能が低下。

すると、食べ物や飲み物、唾液が気管に入りやすくなり、痰も吐き出しにくくなります。

それが原因で、異物が気管内に居座って腐敗し、口の中の雑菌も気管内で繁殖するため、肺炎を起こしやすい状態になる。これが誤嚥性肺炎のメカニズム。

日本人の死亡原因の第4位は、誤嚥性肺炎(1位は悪性腫瘍、2位は心疾患、3位は脳血管障害)。

しかし、90歳以上になると、誤嚥性肺炎は第2位に上昇。

また、肺炎で死亡される患者さんの95%以上が65歳以上だ。それだけ、むせないように気をつけることは、重要なアンチ・エイジングになるのです。


対策…ビタミンB群で、気道のフタの反射神経を改善

飲み込むときに、気道のフタが閉まりやすくなるよう、反射神経を衰えさせないことが大切。

そのためにも、ビタ ミンB群を意識して摂る。

ビタミンB 群は、体の中の代謝における中心的な補酵素。それぞれ助け合いながら脳や神経、皮膚などを健康に保つビタミンなのだ。

B1の多い食品は、豚ヒレ肉、生ハム、大豆など。

B2の多い食品は、豚レバー、牛レバー、鶏レバー、焼のり、抹茶など。

B6の多い食品は、ニンニク、カツオ、マグロ、牛レバーなど。

B12の多い食品は、シジミ、赤貝、スジコなど。



お酒は食事が終わってから

お酒は、神経を麻痺させてしまうので、誤嚥が起きやすくなる。

飲酒は、食事が終わってからにしよう。

また、辛いものも、気道のフタが閉める神経を麻痺させてしまうので、控えめに。


ひと口で食べる量を少なくして

口いっぱいに頬張りながら食べてしまうと、高齢者でなくても、むせやすくなります。

ひと口で食べる量は少なめに。


慌ただしく食事をしないように心がける

むせる症状が頻発する人は、日常生活を見直してみましょう。

毎日、慌ただしく食事(早食い)をしていませんか? ゆっくり食べるよう心がけてください。

また、テレビなどを観ながらの“ながら”食事も、飲み込むことへの集中力が削がれます。

食事のときは、食べること、飲み込むことに集中しましょう。

ゆっくりと、味わって食べる、飲む、ということが、むせないための最良の方法。


2016年3月8日火曜日

いつまでも健康だ! 筋肉のアンチ・エイジングが必要





             ドルフ・ラングレンさん 1957年生まれ




男女とも、加齢に伴い、筋力、筋量は減少し、筋肉量は減って行きます。

特に男性は、もとの筋肉量が多いだけに、大きく減少して行きます。


筋肉って何?

筋肉は、「筋繊維」という細長い繊維が集まり、「筋束」という束となり、筋束がより集まって「筋肉」となります。

筋肉は性質から【遅筋繊維】と【速筋繊維】の2つのタイプにわかれます。

【遅筋繊維】

・スピードは遅いが疲労しにくく、長い間力を発揮し続けられる。
・マラソンなど持久力が求められる選手に、遅筋繊維の割合が多く見られる。
・色は赤く見えるため、赤筋と言われる。

【速筋繊維】

・スピードが速く、瞬間的に力を発揮できる。
・短距離選手などに速筋繊維の割合が多く見られる。
・色は白っぽいため白筋と言われてる。


なぜ加齢により筋肉量が減るのでしょうか?

加齢とともに筋肉量が減少するのは、筋繊維の数が減って筋委縮が生じるためです。

特に「速筋繊維」の委縮は顕著で、個人差はありますが、40歳位から委縮は始まっています。

瞬発的に大きな力を発揮する「速筋繊維」が主体で衰えていくため、年とともに、機敏な動作が苦手となり、ゆっくりとした老人動作となっていくのです。


速筋繊維を鍛えて、若さを維持しよう!

日々、相当量の持久的なトレーニングをしている、マスターズに出場するランナーの方々でも、速筋繊維の委縮は起きています。

一方、高齢者でも、筋力トレーニング(筋トレ)を行えば、速筋繊維が増えるという研究報告が多くあります。

したがってウォーキング、ランニングのような持久的なトレーニングも必要ですが、

すばやい動作を行うためには、筋トレも必要なのです。

筋トレと言っても、性別、年齢、運動習慣、身体状態など、何をするべきかは、人によって違います。

自分に合った筋トレを見つけ、いつまでも「すばやい動作」を行える、からだ作りをしましょう。


若さは脚から!

20歳の筋肉量に比べて、加齢によってどのくらい変化したかを、部位別に比較してみました。

男女とも、体全身と比較して、下肢では減少が大きく、50歳で約10%、 80歳で約30%も減少してしまいます。

「老化は足から」と言われているように、若さを保つために足を鍛えていきましょう。


筋肉のアンチエイジングのために




・ウォーキング、ランニングだけでなく、筋トレをして速筋繊維も鍛えましょう。

・活動的な生活をして、足の筋肉量を維持していきましょう。
 


2016年3月7日月曜日

積極的な認知症予防は、アンチ・エイジングなのだ

        認知症とは無縁の男 超多忙なオバマさん 1961年生まれ
 
認知症の特徴的な症状とは
記憶障害と認知機能障害。主なものとして、次のような症状がみられる。

  • 記憶障害
    古い記憶よりも最近の記憶がなくなる。記憶がなくなった事自体の記憶がない。

  • 計算力障害
    簡単な計算を間違えたり出来なくなる。

  • 感情障害
    情緒が不安定になり、被害妄想などうつの症状が出る。日常生活に支障をきたす。

  • 異常行動
    意味の不明な行動をする。この場合は認知症がかなり進んでいる。


認知症は、現在の医学では、残念ながら完治が見込めません。

代表的な認知症であるアルツハイマー病は、一旦発症してしまうと病状は進行してしまいます。

最新の医療では、完治できないまでも、進行度合いを大幅に遅らせることができるようになった。

しかも、発見が早ければ早いほど、認知症の進行を遅らせる可能性は高くなります。

そこで、最も良いのは、認知症を予防してしまうことだという考え方が、主流になって来ました。


積極的な認知症予防はアンチエイジング

認知症の予防は、成人病の予防であり、生活習慣の見直しでもあり、その対策方法は、そのまま、アンチ・エイジングということです。

認知症の予防法は、食生活、習慣、運動、トレーニングなどいろいろありますが、最も大事だと言われる、4要素があります。


認知症予防に最も大事な4つの要素

食生活

野菜、魚、果物を中心とした食事

運動

一日30分以上の運動

生活習慣(タバコ・酒・夜更かし)

最近の研究で認知症とタバコや酒の関係が明らかになっています。
タバコは百害あって一利なし。家族を健康の害に巻き込む危険性があります。

最近の情報(2014年6月)で「たばこを吸う高齢者は認知症になる危険性が2倍に」という結果が発表されました。

頭を使う

脳トレーニングは、よく知られていますが、その他にも、ゲーム、絵画、園芸など、認知症対策に良いことが知られています。

2016年3月6日日曜日

歯の健康を維持して、脳や脚の老化を防ごう

美しい健康な歯 三原じゅん子さん 1964年生まれ


歯の健康と脳や脚の老化の関係

高齢で健康な人の中で、脳や脚の老化が進んでいない人の多くは、歯が健康です。

高齢者の多い新潟県では、80歳以上の人で、歯を20本以上維持している人が多くいます。

歯が多く残っているなら、いろんなものを自分の歯で噛むことが可能です。

噛む力があると、口を多く動かすことができ、脳に血流が盛んに送られます。

この結果、脳の活性化につながり、脳の老化防止に役立つのです。

また、健康な歯で食べ物をしっかり噛むことは、歯を支えている歯根膜を刺激することです。

この刺激は三叉神経に伝わり、脳全体に刺激が行き渡ることで、脳の活性化につながるのです。

特に、前頭葉の血流量が増加すると、認知機能が活性化します。


歯の噛み合わせと脚の筋肉

自分自身の大切な歯を失ってしまうと、噛み合わせが悪くなることがあります。

すると、下顎がずれることで、不安定な状態になり、体全体のバランスを崩す恐れがあります。

また、バランスを維持することが難しくなると、歩く速度も自然と遅くなります。

昔のように上手に歩くことができないと、歩くこと自体をやめてしまうので、足の筋肉利用も減少して、健康な脚を維持することが難しくなります。

このようなことにならないように、歯を維持することが大切なのです。

歯を失ってしまったら、入れ歯を用いて補うことで、正しい噛み合わせを取り戻すことが必要です。

健康な歯を持っていることは、脳と脚の老化防止に役立ちます。

健康な歯を持っていることで、多少硬い物でもよく噛んで、食事をとることになります。


よく噛む事は、舌や唇をよく動かすことにつながります。

舌や唇をよく動かす事は、歯を綺麗にするので、虫歯予防につながります。

また、食事の時によく噛むことで、より多くの唾液を分泌することになり、この唾液は歯を守るためにも必要なのです。

唾液が多く出ることによって、虫歯の原因となる食べかすを、洗い流すのです。

唾液は虫歯菌が作る酸を中和することで、歯が溶けるのを防いでいます。

また、唾液は歯のエナメル質を復元するだけでなく、唾液に含まれている抗菌物質は、虫歯菌や歯周病菌を退治しているのです。


多くの唾液を分泌するためには、多くの咀嚼回数が必要となります。

咀嚼回数が多いことで、唾液を多く分泌して、歯の健康を維持することができ、脳や脚の老化防止にも役立ちます。

現代人の平均的な咀嚼回数は、一食当たり600回以上ですが、健康な高齢者で、1,000回以上咀嚼する人は多くいます。

唾液を多く分泌することが、歯の健康にとても重要なことです。

この様に歯を健康に維持することで、脳や脚の老化防止も可能となります。



2016年3月5日土曜日

カロリー制限による、心臓と血管のアンチエイジング

鋼鉄の心臓? トランプさん 1946年生まれ

昔から「腹八分目に医者いらず」と、過食を避けることが、健康に良いことはいわれてきました。

近年、ライフスタイルの変化に伴い過食や肥満を基盤とするメ タボリック・シンドロームやそれに伴う心臓血管病が増加の一途をたどっている現実を考えると「腹八分目」の重要性は高まっています。  





最近になって科学的にも「腹八分目」の効果が証明されました。

2009年のScience誌に発表された論文では、ヒトと同じ霊長類のサルにおいて、20年間カロリーを3割制限(つまり腹七分目)し、自由に餌を食べたサルと比較しました。

すると生存率は、カロリー制限した場合が80%、カロリー制限をしない場 合が50%となり、カロリー制限により寿命が明らかに延長しました

特にカロリー制限をしたサルでは、心臓と血管の病気が減少しており、カロリー制限が心臓と血管の老化を遅らせ、寿命を延長させることを証明した衝撃的な結果です。
  



カロリー制限が心臓老化を遅らせることはヒトでも証明されています。

米国ワシントン大学の研究では、1日1400~2000Kcalまたは 2000~3000Kcalの栄養バランスのとれた食事をした成人を約6年間観察しました。

1400Kcal~2000Kcalは、日本人よりも体の大 きなアメリカ人にとっては、かなりのカロリー制限です。

カロリー制限をした人たちは、カロリー制限をしなかった人と比較して、心臓の機能が約15歳若かったという結果が得られました。
  
しかし困ったことに実際にカロリー制限を実行するためには相当の自制心が必要です。


そこでカロリー制限と同じような効果を得るための薬の開発が研究されています。  
 
これまでの研究で、カロリー制限による長寿には、sirtuin(サーチュイン)という蛋白が、大きな役割を果たすことがわかっています。

薬でサーチュインを活性化できれば、アンチエイジングにつながり、カロリー制限をしなくても長生きできるかもしれません。

サーチュイン活性化作用があるレスベラトロールという成分は、赤ワインに多く豊富に含まれています。

「フランス人は高脂肪食の摂取が多いにもかかわらず、心臓血管病による死亡が少ない」という、フレンチ・パラドックスの理由は、フランス人のワイン消費量が多いからという説もあります。
  

心臓血管の老化の予防には、他にも、1日30分~1時間程度の適度な有酸素運動(散歩、ジョギ ングなど)が有効です。そして、禁煙は非常に大切です。

「腹八分目」「適度な運動」「禁煙」で、健康長寿を目指しましょう!!


2016年3月4日金曜日

加齢による脳の老化は30歳で自覚する。

 飛び切り、頭の回転が早い、蓮舫さん 1967年生まれ

30歳を過ぎた頃から、顔は思い浮かんでいるのに名前がでてこないという、ど忘れ的なことが起こってきます。

こうした脳内での「検索」がうまくいかない症状は、加齢が原因ということで、片づけられてしまうことがほとんどです。


身体は使わなければ加齢とともに衰えていきます。

体の一部である脳も例外ではなく、脳を使わない生活を送っていると、その働きはどんどん低下して使わない筋肉と同じように脳そのものが萎縮していきます。

テレビばかりを見て本を読まない、毎日同じことの繰り返しで刺激がない、異性に対してときめきがない、パソコンやスマホに依存して自分でモノを考えない、などなど...

最近はこんな人が増えているらしいですが、こんな人は脳の老化も早そうです。

脳細胞の成長が止まるのは、30歳前後といいますから、これ以降は頑張って脳を使っていかないと、どんどん脳の老化が進んでいきます。

しかし、逆をいえば、使えば使うほど活性化するのが脳です。

脳に刺激を与え続ければ、脳細胞はいくつになっても育ちます。

60歳以上の高齢者を対象に行った調査では、積極的に趣味をやるなど活動的な人は、そうでない人に比べて「記憶力」と「注意力」が明らかに上 回っていたそうです。

つまり、脳に刺激を与えて脳を使うことは、継続すれば、脳力の低下を抑えられるのは、もちろんのこと、痴呆の予防にもなるのです。


脳の老化=脳神経細胞が死んで減っていく

加齢とともに脳の活動が衰えるのは、脳の神経細胞が、日々死んでいくからです。

30歳をすぎたあたりから、1日に1~10万個単位で神経細胞が減っていくといわれています。

また、加齢にともない、脳の神経細胞の膜が徐々に固くなることもあって、神経細胞同士の情報の受け渡しがうまくいかなくなり、脳内の情報ネットワークも働きが鈍ってきます。

このため、脳内の記憶の検索が、うまくいかなくなって「思い出せない」、「物忘れが増える」、「判断力が鈍る」、「新しいことへの興味や関心が薄れてしまう」といったことが起こってしまうのです。


年齢とともに記憶力がどれぐらい低下するのか?

50~59歳では25歳時の記憶脳力のほぼ半分、70歳を超えると最高で3/4まで失われるといいます。

こうした脳の老化を食い止めるには、絶えず脳に刺激を与えることが大事なので、脳を使うようなアクティブな趣味や活動(スポーツなど体を使う ものも脳の活性化につながる)をすること。

そして、日頃から五感を使ったり、コミュニケーションを取ることも脳の老化防止に役立ちます。

好奇心と刺激のある毎日を送っていれば、脳は老化する暇も無いということです。

また、「脳機能改善食品」といわれるブレイン・フードを積極的に補給するのも有効です。


「脳機能改善食品=ブレイン・フード」とは

DHAとかイチョウ葉とホスファチジルセリンといった成分のことで、「脳にいい」とか「頭がよくなる」という触れ込みで、サプリメントになっているものです。






2016年3月3日木曜日

骨を丈夫にして、全身の機能をしっかりと保つ

小池百合子さん 1952年生まれ


カルシウムのサプリメントには注意が必要
 
研究者によると、カルシウムのサプリメントを過剰に摂取すると、むしろ心筋梗塞を発症する危険性が上昇するという。  
食事から十分な量のカルシウムを摂取すると、心筋梗塞リスクが低下することが知られていますが、サプリメントには当てはまりません。この点を研究者は注意を促している。

研究では、約2万人以上の男女(研究開始時の年齢は50~71歳)を追跡して調査。ビタミンやミネラルのサプリメントを摂取しているかどうかを参加者に尋ねて、平均12年間追跡したものがある。

その結果、サプリメントでカルシウム1日1,000mg以上摂取していた人では、全く摂取していない人に比べ、心筋梗塞のリスクが20%上昇することが判明した。

 
カルシウム不足を防ぐ食事
 
食品から摂取したカルシウムは主に骨に蓄積される。ふだんからカルシウムをたくさんとっていると、骨に十分に蓄えられ丈夫な状態が保たれる。

蓄積されたカルシウムは、「骨や歯を丈夫にする」「筋肉を動かす」「脳や神経の情報伝達を促す」「血液を凝固させる」など、全身の機能を保つためのさまざまな役割を果たしている。


 日本人では多くの人が不足している

日本人の食事摂取基準(2015年版)では、カルシウムの1日当たりの目標量を成人男性で700mgから800mg、成人女性で650mgと設定している。
 
カルシウムは吸収率の悪い栄養素で、どんな食品にも含まれているわけではない。ひとつの食材だけからカルシウムを十分にとるのは難しいので、さまざまな食品を組み合わせてとるのが、カルシウムの不足を防ぐ秘訣だ。

カルシウムを多く含む食品には「乳製品」「葉物野菜」「大豆・大豆製品」「海藻」「小魚」「中骨入りの鮭の水煮缶」などがある。

これらの食品は、ビタミン類やミネラル類を含み、活性酸素の発生を抑える抗酸化作用のある栄養成分を含むものも多い。サプリメントだけでは、これらの栄養成分を摂取するのは不可能だ。

また、骨粗鬆症の治療に使われる「ビスホスホネート」と牛乳やカルシウムのサプリメントを一緒にとると、ビスホスホネートはカルシウムと結合しやすい性質があるため、薬が腸管から吸収されにくくなるので注意が必要だ。


2016年3月2日水曜日

男性の薄毛・脱毛はAGA(エージーエー)と呼ばれる


小泉純一郎さん 1942年生まれ


AGAは、男性型脱毛症(Androgenetic Alopecia)という医学用語の略だ。

AGAで悩む人は、現在、全国で1,260万人ともいわれ、男性ホルモンや遺伝の影響などが、主な原因と考えられている。


AGAの人では、一般的に、額の生え際や頭頂部周辺の毛が薄くなり、脱毛が進行する。

進行の程度は、人によって異なり、前頭部や頭頂部、どちらかが進行する場合も、両方薄くなる場合もある。

遺伝が原因でAGAを発症する男性は25%とされている。

しかし、遺伝子で全てが決まるというわけではない。

環境や生活習慣もAGAの原因になる。
 
遺伝だけが原因であれば、一卵性双生児の2人で薄毛の進行は同じ程度になるはずだが、仕事や食生活、飲酒や喫煙などの生活習慣によって、同じ年齢でも進行度合いは異なるという。

つまり、遺伝が全てではないということだ。

AGAは遺伝の影響に加え、環境や生活習慣などの因子の影響も無視できないという。

ストレスもAGAの原因になる。

ストレスを強く感じると、自律神経などのバランスが乱れる。その結果、血流が悪化し、毛乳頭まで栄養が行き届かなくなる。

ストレスは、髪の成長を妨げるだけでなく、あらゆる病気に悪影響を及ぼすので、ストレスをためない工夫が必要となる。

また、食事や生活習慣も重要だ。

栄養バランスの悪い食事や喫煙習慣、睡眠不足などで、身体の新陳代謝が低下する。そして、頭皮の状態にも悪影響を及ぼすので、毛髪の健康を損なう原因となる。



2016年3月1日火曜日

女性の薄毛の原因は、女性ホルモンの減少

頭髪の悩みは、男性だけではなく、女性にも共通の問題です。

特に中高年になり、薄毛でお悩みの女性は、非常に多くいます。

女性の薄毛は、女性ホルモンの分泌減少により、発毛に関係する遺伝子の発現が低下しているからなのです。




              櫻井よしこさん 1945年生まれ


通常、30歳代になると女性が薄毛に悩み始め、40歳代になると急増することが知られています。
また、その時期に重なって、女性ホルモンの分泌量が減り、40歳代では急激に低下することが知られています。

このため、女性ホルモンの分泌低下と薄毛には、相関関係があると予想されていました。

そこで、研究者等は、発毛促進に関係するBMP(Bone Morphogenetic Protein:骨形成因子)と呼ばれるタンパク質の低下に注目し、BMPの遺伝子発現量が、女性ホルモンの減少により引き起こされるのではないかと考えました。

培養した女性の毛髪の細胞(毛乳頭細胞)に、女性ホルモンを添加して、その影響を調べたところ、女性ホルモンが存在すると、BMP遺伝子の発現量が、正常に保たれる事が判りました。

また逆に、女性ホルモンが減少すると、発毛を促進するBMPの生成が抑制されることも確認されました。

さらに、女性ホルモンは、毛乳頭細胞内に存在するホルモン受容体「Estrogen receptor-β」(ER-β)の発現量を高める働きがあり、このER-βを通して、BMPの遺伝子発現も高まることが、明らかになったそうです。

この結果は、BMPの減少を抑える成分を開発することができれば、女性特有の発毛促進剤の開発につながる可能性があり、今後さらに研究を進めるということです。