頭髪の悩みは、男性だけではなく、女性にも共通の問題です。
特に中高年になり、薄毛でお悩みの女性は、非常に多くいます。
女性の薄毛は、女性ホルモンの分泌減少により、発毛に関係する遺伝子の発現が低下しているからなのです。
櫻井よしこさん 1945年生まれ
通常、30歳代になると女性が薄毛に悩み始め、40歳代になると急増することが知られています。
また、その時期に重なって、女性ホルモンの分泌量が減り、40歳代では急激に低下することが知られています。
このため、女性ホルモンの分泌低下と薄毛には、相関関係があると予想されていました。
そこで、研究者等は、発毛促進に関係するBMP(Bone Morphogenetic Protein:骨形成因子)と呼ばれるタンパク質の低下に注目し、BMPの遺伝子発現量が、女性ホルモンの減少により引き起こされるのではないかと考えました。
培養した女性の毛髪の細胞(毛乳頭細胞)に、女性ホルモンを添加して、その影響を調べたところ、女性ホルモンが存在すると、BMP遺伝子の発現量が、正常に保たれる事が判りました。
また逆に、女性ホルモンが減少すると、発毛を促進するBMPの生成が抑制されることも確認されました。
さらに、女性ホルモンは、毛乳頭細胞内に存在するホルモン受容体「Estrogen receptor-β」(ER-β)の発現量を高める働きがあり、このER-βを通して、BMPの遺伝子発現も高まることが、明らかになったそうです。
この結果は、BMPの減少を抑える成分を開発することができれば、女性特有の発毛促進剤の開発につながる可能性があり、今後さらに研究を進めるということです。
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