2016年3月5日土曜日

カロリー制限による、心臓と血管のアンチエイジング

鋼鉄の心臓? トランプさん 1946年生まれ

昔から「腹八分目に医者いらず」と、過食を避けることが、健康に良いことはいわれてきました。

近年、ライフスタイルの変化に伴い過食や肥満を基盤とするメ タボリック・シンドロームやそれに伴う心臓血管病が増加の一途をたどっている現実を考えると「腹八分目」の重要性は高まっています。  





最近になって科学的にも「腹八分目」の効果が証明されました。

2009年のScience誌に発表された論文では、ヒトと同じ霊長類のサルにおいて、20年間カロリーを3割制限(つまり腹七分目)し、自由に餌を食べたサルと比較しました。

すると生存率は、カロリー制限した場合が80%、カロリー制限をしない場 合が50%となり、カロリー制限により寿命が明らかに延長しました

特にカロリー制限をしたサルでは、心臓と血管の病気が減少しており、カロリー制限が心臓と血管の老化を遅らせ、寿命を延長させることを証明した衝撃的な結果です。
  



カロリー制限が心臓老化を遅らせることはヒトでも証明されています。

米国ワシントン大学の研究では、1日1400~2000Kcalまたは 2000~3000Kcalの栄養バランスのとれた食事をした成人を約6年間観察しました。

1400Kcal~2000Kcalは、日本人よりも体の大 きなアメリカ人にとっては、かなりのカロリー制限です。

カロリー制限をした人たちは、カロリー制限をしなかった人と比較して、心臓の機能が約15歳若かったという結果が得られました。
  
しかし困ったことに実際にカロリー制限を実行するためには相当の自制心が必要です。


そこでカロリー制限と同じような効果を得るための薬の開発が研究されています。  
 
これまでの研究で、カロリー制限による長寿には、sirtuin(サーチュイン)という蛋白が、大きな役割を果たすことがわかっています。

薬でサーチュインを活性化できれば、アンチエイジングにつながり、カロリー制限をしなくても長生きできるかもしれません。

サーチュイン活性化作用があるレスベラトロールという成分は、赤ワインに多く豊富に含まれています。

「フランス人は高脂肪食の摂取が多いにもかかわらず、心臓血管病による死亡が少ない」という、フレンチ・パラドックスの理由は、フランス人のワイン消費量が多いからという説もあります。
  

心臓血管の老化の予防には、他にも、1日30分~1時間程度の適度な有酸素運動(散歩、ジョギ ングなど)が有効です。そして、禁煙は非常に大切です。

「腹八分目」「適度な運動」「禁煙」で、健康長寿を目指しましょう!!


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