誤嚥とは無縁の、おしゃべりの素晴らしい黒柳徹子さん 1933年生まれ
原因…気道に異物が入らないようフタをする機能の衰え
食べ物や水、お茶、唾液などを飲み込むとき、気管に入らないように、瞬時にパタっとフタをする喉頭蓋(気管と食道の分岐点に存在し、嚥下の時に気管
にフタをする)があります。
このフタは、脳の延髄にある嚥下(えんげ=口の中のモノを飲み下すこと)中枢が指令を出すことで閉じます。
加齢により反射神経、運動神経が低下すると、飲み込むタイミングに嚥下中枢からの指令が間に合わなくなることが。すると、フタが閉まらないので気管
に入ってしまう。
それを、咳き込むことで出そうとするので、むせる。
また、飲み込む筋肉自体の衰えも、むせる原因のひとつ。
放っておくと…誤嚥性肺炎になることも……
加齢に伴って、全体的な神経支配や運動機能が低下。
すると、食べ物や飲み物、唾液が気管に入りやすくなり、痰も吐き出しにくくなります。
それが原因で、異物が気管内に居座って腐敗し、口の中の雑菌も気管内で繁殖するため、肺炎を起こしやすい状態になる。これが誤嚥性肺炎のメカニズム。
日本人の死亡原因の第4位は、誤嚥性肺炎(1位は悪性腫瘍、2位は心疾患、3位は脳血管障害)。
しかし、90歳以上になると、誤嚥性肺炎は第2位に上昇。
また、肺炎で死亡される患者さんの95%以上が65歳以上だ。それだけ、むせないように気をつけることは、重要なアンチ・エイジングになるのです。
対策…ビタミンB群で、気道のフタの反射神経を改善
飲み込むときに、気道のフタが閉まりやすくなるよう、反射神経を衰えさせないことが大切。
そのためにも、ビタ
ミンB群を意識して摂る。
ビタミンB
群は、体の中の代謝における中心的な補酵素。それぞれ助け合いながら脳や神経、皮膚などを健康に保つビタミンなのだ。
B1の多い食品は、豚ヒレ肉、生ハム、大豆など。
B2の多い食品は、豚レバー、牛レバー、鶏レバー、焼のり、抹茶など。
B6の多い食品は、ニンニク、カツオ、マグロ、牛レバーなど。
B12の多い食品は、シジミ、赤貝、スジコなど。
お酒は食事が終わってから
お酒は、神経を麻痺させてしまうので、誤嚥が起きやすくなる。
飲酒は、食事が終わってからにしよう。
また、辛いものも、気道のフタが閉める神経を麻痺させてしまうので、控えめに。
ひと口で食べる量を少なくして
口いっぱいに頬張りながら食べてしまうと、高齢者でなくても、むせやすくなります。
ひと口で食べる量は少なめに。
慌ただしく食事をしないように心がける
むせる症状が頻発する人は、日常生活を見直してみましょう。
毎日、慌ただしく食事(早食い)をしていませんか? ゆっくり食べるよう心がけてください。
また、テレビなどを観ながらの“ながら”食事も、飲み込むことへの集中力が削がれます。
食事のときは、食べること、飲み込むことに集中しましょう。
ゆっくりと、味わって食べる、飲む、ということが、むせないための最良の方法。
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