2016年2月12日金曜日

日本の偏差値教育は改善されるのか? (下) 2021…センター試験に代わる新試験の導入(東洋経済)


これからの大学はポリシーで選ばれる時代に

各大学の個別試験も、新たな対応を迫られている。文部科学省が各大学に要請しているのは、もっと個性を出してほしいということです。具体的には、地域社会、国際社会、産業界により貢献できる人材 へ成長させるための、アドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシーの3つの基準を大学側に明示するよう要請しています。

ディプロマポリシーとは、どのような能力を身に付けた人材を世に送り出そうとしているのかという人材像。カリキュラムポリシーは、その人材を育てるためにどのようなカリキュラム・学修方法などを提供するかという大学教育のデザイン。アドミッションポリシーは、その教育に耐え得る入学者に求められる要件。

今回重要なのは、このアドミッションポリシーと実際の入試問題が矛盾なくつながることが、各大学に求められているということです。大学がどういう人材を育てたいのかを踏まえて入試問題の形式を考えるということなのです。

大学入試が変わることで、高校以下の教育も変わっていく

わかりやすい例は、『読む、聞く、書く、話す』という英語の4技能評価です。これまでのように講義を受けて文法問題に答える英語だけでは、グローバリゼーションが進む社会では対応できません。もっと『使える英語』を身に付けていこうということです。

各教科も知識を単に詰め込むのではなく、『知識を使う』ことにシフトしていくでしょう。そうした流れの中で導入されているのが、アクティブラーニン グです。アクティブラーニングは、グループワークで議論しながら、正解を導き出し、さらにその答えをグループ間で議論するもので、人と対話することで自分の思考を整理し深めていくという効果が期待されています。

答えのない問題に対処する力を養う「考える力」を重視。『本質をつかむ』ことを基本にする。予測不可能な変化が起こる社会の中で、答えのない問題にどう対処していくのか。また他者との対話の中で、いかに答えを導き出していくのか。

「自分で考え、調べ、書く」ことを基本として、学習を通じて社会的課題の解決に貢献する力を養うことを目的としている。これまでそうあるのが当然と考えてきたモノやコトに対して、「本当にそうだろうか?」と問いを立てることに重点を置いている。

たとえば、人文分野では、「自由」の意味について考えさせる問題がある。自然分野では、「地球温暖化 で海に浮かぶ氷が溶けて海面が上がる」という意見が、正しいかどうかを自分で考える。社会分野では、「日本と中国の関係」について考え、情報の正誤を判断するために必要な資料・データとは何かを考えることを通じて現代社会のあり方を探求する。 

<完>



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