2015年3月31日火曜日

オリエント急行の彼方、メソポタミヤ文明、アガサ・クリスティ

オリエント急行の終着・始発駅のあるイスタンブルは、トルコの大都市だ。 ここから更にトルコの国内鉄道に乗り、トルコを横断すると、イラクに入る。 イラクの首都はバグダッドだ。 名探偵ポアロは、ここでも一仕事したのだ。

『メソポタミヤの殺人事件』(原題:Murder in Mesopotamia)は、アガサ・クリスティが1936年に発表した長編推理小説。 エルキュール・ポアロが登場するシリーズのひとつ。

・・・・・・ イラクのバグダッド近くの発掘現場、ポワロは好意にしているロザコフ伯爵夫人に呼ばれ、あるホテルへ向かうが、夫人はそこにはいなかった。 そこでヘイスティングスの親戚が参加している、メソポタミア文明の遺跡発掘現場を訪れた。 そこで、発掘隊長のライドナーの妻ルイーズから相談を受ける。 死んだはずの前夫から脅迫じみた手紙が届いており、命を狙われていると言う・・・・・・

アガサ・クリスティの代表的な作品の中には中東を舞台にしたものが多い。 その理由の1つに、1930年代初め、彼女が中東専攻考古学者マックス・マローワン氏と再婚したから、という説明がある。 当然、夫婦で楽しく中東を旅したのでしょう。

<メソポタミア文明>



メソポタミア文明の起源は、紀元前5千年頃、後にメソポタミアと呼ばれるチグリス・ユーフラテス両河に挟まれた肥沃な地帯に、とある農耕民族が住み着いた。 彼らの住み着いた土地は、耕作や放牧に適して、近くの湿地帯では、魚と鳥が豊富に得られる、理想的な環境だった。


その農耕民族は、ウバイド人と呼ばれた。 その後、千年以上もそこに住み着き、泥でレンガをつくり街や神殿を建てた。 その後のメソポタミア文明の基礎をつく った民族だ。 しかし、彼らは、文字を持たなかった。 だから詳しい記録を残していない。

<メソポタミア文明遺跡>



紀 元前3800年頃、どこからかシュメール人と呼ばれる民族がやって来た。 すると、メソポタミアの地は、大繁栄となった。 美術、建築、宗教に加えて、社会組織から楔形文字の発明に至るまで、すべて、シュメール人の画期的な業績だ。 世界最初とされる船や車輪つき戦車なども、シュメール人によってつくられた。 しかし、宇宙人説まで有る、シュメール人の民族系統は、未だに不明である。

<メソポタミア 楔形文字>





紀元前3500年前ごろには、シュメール人たちは、エリドゥ、ウル、ウルク、ラガシュと言った高度な都市国家を次々とつくり上げた。 それらの諸都市は、世界最古のもので、この文明は、メソポタミア文明と呼ばれている。

現在、イラクの首都であるバグダッドは、かってメソポタミア文明が栄えた頃の中心辺りに位置している。 

バグダッドは、本来、古代文明のロマンが花咲く、悠久の都なのだ。

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